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普段恋人が使っている高い枕で眠ってしまったせいで、首から肩にかけて痛みを感じつつベッドから出た。インスタントのお味噌汁を飲んで、日曜朝のニュース番組をボーっと眺める。

 

恋人が目覚めるのを待ってからゴルフ練習をした。朝日が強く当たっていて、少し汗ばむほど。恋人はレンタカーを取りに先に帰ったけれど、私は残って練習。

 

家に帰り、旅行用鞄に急いで荷物を詰め、身支度を整える。私は旅行の準備が苦手だ。忘れ物がないか不安で何度も確認するから時間がかかってしまう。

 

羽生パーキングエリアで昼食をとった。思っていたよりもこぢんまりとしたサービスエリアだった。恋人はサーロインステーキ、私はケールサラダのセットを注文した。

 

日光に到着し、金谷ホテルで車を降りると、肌を刺すような寒さに驚いた。日光はすっかり冬の空気に染まっていた。

 

チェックインまで時間があったから、歩いて東照宮を観光。観光客の多さとバスガイドの叫ぶような声に辟易しつつ歴史ある建造物を見て回る。あれだけの作品を作り、維持するのにどれだけの労力がかかっているのだろうと思うと敬意を示さずにはいられないが、私には派手すぎるように思えて少し疲れてしまった。しかし家康のお墓は荘厳な雰囲気があって良い。あれだけの階段を上らせるだけの価値はある。

 

ホテルに帰り、チェックインを済ませる。ラウンジの深い赤色の絨毯や、皮のソファ、ビリヤード台など、どこからか漂う湿った空気はまさに日本のクラシックホテルらしい。

 

新館のツインルームに宿泊したのだが、押入れのふすま・木彫りの机・障子紙張りの窓と、絨毯張り・シンプルなベッド・洋式のバスルームが共存している空間がなんともかわいらしく、一目で気に入った。

 

恋人とホテル内を探検してまわったあと、華厳の滝まで向かった。今年初めての試みとしてライトアップをしていると聞いて、彼が誘ってくれていた。正直あまり乗り気ではなかったけれど(だって寒いもん)、一見の価値はあった。生々しくて残酷な景色。帰りがけ、目を離したすきに彼が売店のコロッケを美味しそうに食べていて、その子供のような姿に思わず笑ってしまった。

 

夕食をとりに行こうと言っていたレストランの閉店時間が早いことに焦りを覚えつつ道案内をするが、地図案内がそれほど得意だとは言えない私のせいで、迷いに迷ってしまった。しょんぼりした気持ちで席に着くと、マイタケのソテー(驚くほど美味)、鱒とアボカドのサラダをつまみつつ私だけワインを飲む。メインは鮭のムニエルと鶏シチュー。

 

ホテルに帰り、バーでシェリー酒とジントニックを飲んだ。小さな山小屋のようなバーだった。彼とこうしてバーに入るのは久しぶり。

 

浅いバスタブでシャワーを浴び、浴衣に着替えてベッドに入る。夜の日光はひどく寒かった。