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眠る恋人をベッドに残し、窓際の椅子に腰かけてぼーっと海を眺めていた。朝日がまぶしい。

朝食はホテルの1階にある「ラ・メール」で。卵料理とビュッフェ・和食御膳から選べる形式で、わたしは卵料理、恋人は和食を選んだ。海側はすべて窓になっていて、朝日を浴びた英虞湾を眺めながらゆっくりと朝食をとった。

タクシーでゴルフ場に移動し、恋人とゴルフをラウンドした。秋とは思えぬ日差しと暑さだった。二人ともスコアは散々な結果。

 

ホテルに戻ると私はシャワーをゆっくりと浴びた。ホテルに泊まって、朝や昼にシャワーを浴びるのが好きだ。非日常感が高まるような気がする。

夕食に備えて身支度を整えていると、ラウンジで休んでいた恋人が寂しいと言って戻ってきた。

 

夕食は楽しみにしていた「ラ・メール」でのフレンチ。あたたかな木目調のしつらえとオレンジ色のシャンデリアが全体を華やかでありつつも柔らかな雰囲気にしていた。ワインはスパークリング・白・赤のセットを注文し、さっそく料理を頂く。フレンチだけれどどこか日本人の口に合うよう作られているような、しみじみ美味しいと感じるような料理だった。特に名物だという伊勢海老のスープは濃厚でエビの香がしっかりして、骨の髄まで幸福感でいっぱいになった。お目当てのアワビのポワレもやわらかく、ソースもこっくりした美味しさで、こんなに美味しいものを食べていいんだろうかと感じるくらい。恋人と興奮と驚きをもっておいしさを味わった。いつかまたラ・メールで食事がしたい。