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目が覚めたのは9時ころ、そこからは横に眠る恋人を眺めたり本を読んだりしてぼんやりと過ごしていた。

昼食を用意するためにスーパーマーケットへ。昨日、その地域では有名だというパン屋さんのサンドイッチをもらっていたから、トマトのサラダと野菜スープを準備。サンドイッチはマーガリンの香りが強く、あまり好みではなかったから1つだけで止めにした。

 

テレビを見つつのんびり過ごしたのち、身支度を整えて横浜のホテルニューグランドへ。そこは東京事変のミュージックビデオを見てからずっと憧れていたホテルで、恋人が私の誕生日のお祝いに予約をしてくれていたのだった。

 

部屋は一面が窓になっていて、山下公園氷川丸ベイブリッジが見える。海を眺めながらコーヒーを飲むと、なんともぜいたくな気分になった。

 

ディナーはホテル5階にあるル・ノルマンディで。こちらも海に面したところはガラス張りになっていて、部屋からは見えないみなとみらいの観覧車やランドマークタワーが見えた。まだ景色が明るいうちにシャンパンで乾杯し、アミューズをつまんだ。前菜が終わるころにはだんだんと陽が落ちてきて、薄い桃色と水色が混ざったような空が綺麗。「まだ陽の落ちない時間から乾杯して、こうやって景色が変わっていくのを楽しむのが良いんだよ」なんて恋人が粋なことを言う。

 

トウモロコシとチーズの冷製スープは、甘く香ばしくとても美味しかった。ソムリエの方がおすすめしてくれたアコンカグアの白ワインもライチのような香りと甘味がとても印象的。初めて飲む味のワインだった。

 

メインの牛フィレソテーの前に、フォアグラのコンフィが出てきていたのだが、メインを食べながら「さっきのフォアグラは焼いてステーキの上にのせて出してきてほしい」と冗談を言って笑っていた。というのも去年の私の誕生日に行ったレストランのメインがフォアグラとステーキを重ねたもので、これがたいそう美味しく、恋人も私も強く記憶に残っていたのだ。1年前も彼と一緒に居て、その記憶を二人で共有しているということがとても感動的に思えた。自分が大切だと思っている人の人生・記憶に自分が存在している。

 

食事を終えると、「Happy Birthday」と書かれたデザートのプレートと花束をもらった。大好きなピンク色のバラのブーケ。記念写真を取ってもらいお店を出ると、私たちの後ろの席でワインを楽しんでいたご夫婦がソムリエと記念写真を撮っているところだった。「あなたたちも撮ってあげる」とまた記念撮影。

 

夜風を浴びに山下公園を散歩した。昼の景色しか見たことがなかったから夜の山下公園は新鮮。みなとみらいの景色がキラキラと綺麗だった。

 

部屋に戻ると、窓際の椅子に座ってお酒を飲みつつ、ジェイムスブレイクやスロウダイブを聴きながら夜の海を眺めていた。0時になったタイミングでまた乾杯。26歳になった。