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いつもより30分早く出社。駅に向かう道すがら、梅雨らしからぬ爽やかな天気に気持ちが上向いた。

役員へのプレゼンという大事なイベントを控えていた。桜色のレースタイトスカートにタイ付きの白ブラウス、ネイビーのショート丈ジャケット、ベージュのパンプスで出来るだけきちんと見えるように。

 

まだ電気の付いていないオフィスの中、朝早く出社して準備していることを上司に褒められ頰が緩む。彼女に褒められるたびにこうなる。

 

午後は課長から業績フィードバック。高評価をもらうことができた。認めてもらえて良かった。純粋に嬉しかった。

同時にその場で、今朝わたしを褒めてくれた大好きで憧れの直属の上長の異動を聞かされる。寂しくて涙が出た。

 

デスクに戻っても集中できずにいた。チームメンバーが彼女と私だけになったタイミングで、声を掛けられた。「聞いた?」の一言に涙が止まらなくなった。

 

上司が仕事を終えて帰る時、「スタバ行く?」と声を掛けてもらった。最寄駅近くのベンチに座ってお互いの気持ちを話す。私は憧れの女性がいなくなってしまうことが寂しい。

 

この人みたく、結婚して子どもを育てながらもキャリアを積み、仕事が出来ると評価され、メイクやファッションも抜かりない美しい女性になりたいと思う。彼女の部下にさせてもらえたことは本当に有難い経験だった。